4 琉加

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でも... まあ、国を護るためかもしれんけど 耳を削いで京を引き回し、長崎まで歩かせて 磔にして 竹槍で突いた。 内蔵が動かないように、縄で身体を ぐるぐる巻きにして固定し 血抜きの穴を こめかみに開けて 地面に掘った穴に逆さ吊りにして、棄教を迫った。 内臓固定や血抜きの穴は、すぐに死なせないためか。 他にも 100度の熱湯をかけながら棄教を迫った ... とか。 熱湯は温泉でもやられたらしく、外気の熱もすごい。口からは煙を出していたらしい。 これ本当に 人間のすることかよ、まったく。 「夜も暑いね。まったく風がない。 一日中 エアコンをつけてないと」 シャワーを浴びたジェイドがジーパンだけを穿き、 肩にタオルをかけて リビングに戻って来た。 両腕と背中の片側、左胸のタトゥは まだ 10代の頃に入れたものだ。 「派手だよな、おまえ」 全部 黒一色で彫られてるけど アッシュブロンドの髪ってこともあって なんか目を引く。モロな外人顔だし。 「ああ、夏は特に後悔するよ。 外出するにも、濃い色の長袖のものしか着れないんだ。僕は神父だしね」 ジェイドはグラスに注いだ炭酸水を 一気に飲み干し、もう一杯注いで 向かいのソファーに座った。
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