……第7章……異次元の争い

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猛獣のような不気味な唸り声が 森のあちこちから響きわたる。 時間にしてもう1時間くらい戦いを しているだろうか……。 リンたちもまだこちらにやってこない…。 気づくと敵は増えすぎてもはや 翡翠と後から到着した味方の数百人でも とうてい抑えられそうにもない数に なってしまっていた。 それでも翡翠はどれだけ敵が増えようとも 自分の魔法術で必死になんとか抑えて とにかく山の神がいる方へと、どんどん 前に進んでいった。 すると後ろの方からゾワっと何らかの 気配を感じた千尋は 必死に木にしがみついたまま 後ろを振り向いた。 「えっ…?あれはなに!?…。」 千尋のいる木のずっと後ろの森の方から 今翡翠たちが戦っている敵たちとは違う とてつもなく大きな黒い何かはわからない 化け物の鳥のような ものがこちらに向かって、物凄いスピードで 黒い竜巻のように風を切ってあっと言う間に 千尋の前を一瞬で通り過ぎていき 翡翠のいる方へ向かって行った。 千尋は一瞬だった為、姿も何もわからなかったが 黒く大きな化け物が自分の前を通り過ぎた時の 風を感じた瞬間に懐かしさを思い出し それがハクなんだと確信し思わず叫んだ。 「はっ!!……ハクー!!」 森の中は唸り声や奇声で千尋の声は全く 聞こえなかったようだ。 千尋はもう一度叫んだ。 「ハクーーー!!!?私よっ!千尋よー!」
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