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1.森の来訪者
大きな森がありました。
太陽をいっぱいに浴び、雨をたくさん浴びて大きくなった森でした。
はじめ、この森にはたった一本の木しかありませんでした。
その木の名前は『フササ』と言いました。
その名前がつけられたのは、この森ができてからずっとずっとあとの話です。
フササがまだ一人ぼっちで子供だった頃、どこからか産毛の生えた種が飛んできました。
その種はフササの足元に落ちて、少しずつ大きくなり、黄色い太陽のようなものになりました。
その名はひまわりと言いました。
フササがそれをひまわりと言うのだと知ったのも、この森ができてからずっとずっとあとからのことでした。
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