殺映者

撮影者

　一つの身体に二つの頭もしくは二つの尾をつけられた猫の死骸もあった。あとはこれはニュースで知ったことなので撮ってはいないが、教会の十字架にキリストよろしく縛りつけられた猫も。
　何が楽しいのか理解出来ないが犯人はまだ捕まってはいない。おそらく今頃もどこかで『作品創り』に夢中になっているのだろう。犯人は人間も創作の素材の一つに数えているのか。そうでないのなら彼か彼女か分からないが会ってみたいとも思った。猫は好きなので心は痛むが、標的が人でない限りは身近でそういうことが起こっていると思うとスリルのようなものを感じて楽しくなる。学校でも騒ぎになっているのだから尚更だ。クラスメイトの中には『犯人を捕まえる』と意気込んでいるのもいる。おそらく英雄扱いされたいのだろう。指名手配と違ってお金が手に入るわけでもないのに。
　そういえば一昨日、ようやく人が殺されるのをこの目で見れた。正確には交通事故なのだが殺人には変わりない。