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静かな部屋にパラリとページをめくる音だけが聞こえる。
僕は携帯から目を離さずに「何を読んでるんですか?」と訊いてみた。
「ん? お前のノート」
――携帯を放り出した。ベッドの上に。
「そんなの読まないでください!」
「あー、すまん。見えるとこに置いてあるからつい。しかしまあ、見た目を裏切らず真面目なんだなお前。すげえ解りやすい。てかお前、携帯俺のほうに放ってたけどついでに見ていい?」
「ちょ、ちょっと待って!」
数秒の沈黙。
「『幽霊が部屋に居るなう』ってお前……変な奴だと思われるだろ」
……明らかに可哀想な人間を見るような目で見ないでください。
「いや別に、どうせネタとして見られるからそんなことはないデス……」
「そんなもんか」
「ハイ」
「じゃああれだ。たぶん俺が車に轢かれた時も誰かが現場撮って『ねえ……◯◯で交通事故……』とか呟いても格好のネタだったろうな」
実際そんな書き込みを見かけたから何とも言えない。
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