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画面には番号が一面に敷かれており、その中の僕とケリーのパーソナル番号が映し出されている。いわば第二次世界大戦頃の赤紙のような意味合いを持っているのだ。
ここは軍備と日常が合わさった都心。平和に過ごす日常の中で、いつ現実を突きつけてくるのか分からない。
「次はどこへ旅行するんだい?」
ケリーは不敵な笑みを浮かべ、
「これも何かの縁だな。そうだ。ここは俺が得意だから旅路の案内をしてやろうじゃあないか」
「そういや、ケリーはなぜここに来たんだ?能力適正数値を超えたから?」
「言ってなかったか?俺はだな……」
――目標地点接近。これから第一小隊分離します――
人工的なアナウンスとともに放たれていく無数の卵。
硬化されたポット――卵、各一つに二人の人間が搭乗し大地へと急降下していく。
ポットには上空と同化するように投影されており、地上からでは見分けをつけることなどほぼ不可能。
「やっぱり止めた。このセッションが終わったら教えてやるよ」
僕とケリーは同チーム。二人タッグで行う作戦はこの街――ボストンの反政府グループからの奪還が主な目的。
彼にとって自身の故郷を家族から奪うような意味だ。
僕は彼が口に出そうとしたことを求めてはならないような気がした。なぜならこれから分かってしまうことだと思ったから。
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