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僕達は第三小部隊で主な戦力は上空からの爆撃。
第二小部隊は第一のバックアップがメインなので、実際に戦地で戦闘を行うのは第一、第二といった辺りである。
僕は自分のコンソールポッドに乗り込み、戦況を確認、もしくは小型の拡散爆弾を投下するだけだ。
「あーあ、相変わらずだな」
隣のコンソールから音声受信が行われる。
彼がどんな意味で変わっていないのか、彼自身しか知り得ないだろう。僕は聞かないことにした。
「お前はここを地獄だと思うか?」
「そうだね。僕には幸せには見えない」
向こうから笑い声が聞こえる。彼は確かに笑っている。それは確信出来た。
「ははっ、そりゃそうだよな。俺だってここは地獄だと感じるぜ。一般市民どもはこの場所をを消したくなるのは分かる気がするよな」
僕の言葉に共感しているうちに自虐的な笑みを含んでいる彼の顔が心配になってしまった。
「だがな……」
彼は心の底に閉じられた扉を開くように、彼の口も開いていった。
「この場所が幸せだと思う奴だっている」
「家族、親戚、友人、大切な人さえ失ったとしても、自分のその手で取り返そうとするんだ」
「死んだら何も残らないんじゃないか?」
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