影が薄い少女が恋をした

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 学校は、学園祭の時期となった。しかし、ノイスは影の暗さゆえイベントには誘われなかった。  そんなある日、久々にノイスの前にルサージュが現れた。そして一枚の紙を渡し、 「おれ、バンドやっているんだ。学際でも歌うから、来てよ。気が乗らなくても最後の曲だけでも聞きにきて。かならずだぞ。」  そういって、ルサージュは去って行った。ノイスの目の前には一枚の紙があった。ルサージュのバンドの日程表らしい。 「そんな時間ないのに・・・」そう思いながらノイスは息抜きに行ってみようかと考えていた。  そう思いながら、いつものように勉強をしていたが、ふっとルサージュを思い出して、紙をみた。ヤバい、大分終わっている。どうしよう。ノイスは考えていた。考えた結論は、最後の曲ぐらい聞きに行かなきゃ・・・。  もう最後の曲に入る寸前でノイスは体育館に間にあった。  ルサージュはボーカルだったみたいだ。 「これがラストの曲になる。この曲は、俺が大好きな人に贈る歌だ。通じるかどうか。だいいち、聞きにきてくれているか・・・・」  ルサージュは体育館をみわたした。 「・・・きてくれていた。ありがとう。これは、君の為に作った曲だ。聞いてくれ」  体育館はざわめいていた。誰の為だ。何処に居るんだ。  流れたのはバラード、恋の歌だ。ノイスの心は乱れていた。私じゃない。私の為の歌じゃない。ノイスは体育館を途中で抜け出した。胸が苦しい。なんなのこの気持ち。頭も何もかもこんらんしていた。今日は勉強を諦めて帰ることにして荷物をまとめて家路に向かった。  そして月日は流れに流れ、大学の合格発表の日になった。ノイスはドキドキしながら自分の番号を探した。 「あった!」自然と涙がこぼれおちた。すると、 「あった、あった!」聞き覚えのある声がすぐ近くで・・・。 「ルサージュ?・・・」  ノイスは複雑なきもちだった。  そんなノイスはにルサージュは 「俺、猛勉強したんだぜ。ノイスと一緒の学校に行きたくて、職員室の一画を占拠して。しんどかったけど、なんとかまにあった。」ルサージュは笑顔で言った。 「これからはずっとノイスを見ていれる。ノイスずっとそばにいてくれよ」  後ろからノイスを抱き締めていたルサージュはそっと、ノイスの唇にキスをした。  ノイスは泣きながら微笑みルサージュをぎゅっと抱きしめた。
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