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「は、はぁ……、あ、ああ……」
荒い息と卑猥な水音と肉のぶつかる音だけが響く。
甘いフェロモンの香りをかき消すほどの生臭い匂いが満ちた部屋で、ルナはベッドに寝る客の上で腰を振っていた。
「たり、ない……」
「も、もう、出ねぇよ……」
体力も限界なのか、客は大の字で倒れたまま動かない。どんなに腰を使っても、客の熱棒は硬さを取り戻さず、中に入れようにも折れ曲がって入らない。
(ぜんぜん、たりない。もっと、もっと……)
客の男も、βにしては頑張った方だ。中に何度も射精され、腰を動かす度に卑猥な音をたてながら愛液と混ざりあった精子が中から溢れ出てくる。
それなのに、頭が痺れるような熱は全く引かず、このままでは身体が燃えそうだ。
(βじゃダメだ……αの、もっと熱いのが、奥に、欲しい……)
もう誰でもいい。この身体を焦がすような欲求を鎮めてくれるなら誰でもいいから、誰かもっと犯してくれ。
苦しすぎる熱に汗も涙も止まらない。もうおかしくなる。
誰か助けてと願った瞬間、部屋のドアが開いた。
「谷崎様、閉店のお時間です」
部屋に入り有無を言わさぬ勢いで近づいてきた黒崎に肩を押され、ルナはベッドの上に倒れこむ。
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