1271人が本棚に入れています
本棚に追加
/233ページ
特殊Ω。
それが、朔のバース性だ。そう診断されたのは、朔がはじめて発情期を迎えた17歳の時だった。
産まれてすぐにΩだと診断を受けたが、特殊Ωだということは、はじめて発情するまで分からなかった。
ーー常に発情し続けるΩーー
それが、朔の診断結果だ。
人口の0.01%に満たないΩには、未だに謎な部分が多く、朔のように発情期のサイクルに異常があるΩは特殊Ωと言われている。
朔の症状は、毎日常にフェロモンが出続け、発情状態が続くということ。おまけにそのフェロモンは強力で、αだけでなくβの理性も狂わせる。
フェロモンが止まるのは抑制剤の効果が効いている間だけ。(黒崎と出会ってから、ヒート後に満足するまで性行為を行えば、1日程度はフェロモンが治まると分かったが)
一般的な1日1錠タイプの抑制剤は効かず、1日3錠飲むタイプの強い抑制剤でようやく発情を抑えられる。
だが、この薬には副作用があった。
頭痛、吐き気、脱力感など副作用の出方には個人差があり、朔の場合は不眠という形で副作用が出た。
最初のコメントを投稿しよう!