背後にはいつも影がある

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「ふーん、そんな奴らいたかな」 「そう言うとは思ったよ、しかし高校も行かないのは驚いた。君は成績良かっただろう?」 「成績がいいなら進学しなきゃいけない道理もないよ、センセにはわからないかもしれないけど」 「……そうかもしれないね、僕は進学に進学を重ねた末にこうしているから」 「まぁいいよ、センセなら嫌じゃないし」 「外に出る気はあるのかい?」 「生きるのに困ったら考えるよ、それよりセンセ」 「ん?」 「今日泊まっていって、面白い事するんだけど一人だと面倒臭いから」 「えぇ……無理だよ。第一親御さんが許しはしないだろう」 「今日どうせ二人帰ってこないよ、他県に行ってるから泊まり」 「いや……しかし」 「それともなぁに?泊まったら私を襲うの?別にセンセならいいけど」 ニヤリと挑発的な笑みを浮かべこちらを見る彼女 僕が劣等感を感じる筆頭でもある『特筆した何かを持つ人間』からのそれに僕が頭ではわかっていても体が言うことを聞かなくなるのを彼女はよく知っているのだろう そして僕も、そんな自分に情けないと思いつつもそれに乗ってしまった 「いいだろう、僕でよければね」 「さっすがセンセ、そういうところが好きだよ」 「お世辞はいいよ、で?何をするんだい」     
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