背後にはいつも影がある

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「私お世辞言わないんですけどねー……まぁやることって言っても簡単ですよ。私とセンセ、交互に創作実体験どっちもありの物語りをするんです」 「…………うん?」 「センセ国語の先生でしょ、面白いと思うんだけど」 「いやまぁ物語を作るのは好きだけど、なんで?」 「暇つぶしー、できれば刺激的なものがいいなぁ」 「……分かったよ付き合おう 」 「……へへ、センセのそういう所好きだよ」 「僕に出来るなら誰にでもできる、僕だけのものじゃないよ」 「もー卑屈ぅ、まぁいいや始めよ!」 彼女が手をひとつ打つ 乾いた音が暗い部屋に響き、僕と彼女の物語りが始まった あれから数時間 そろそろ僕の実体験もそこをつき話を考えるのも疲れてきた だがそこは大人であり国語教師の意地、それをおくびにも出さず居るのは褒められるべきだろう 対する彼女はとても楽しそうだ、時折飲み物を口にしつつ楽しそうに話をし、楽しそうに僕の話を聞く 存外これは楽しい ただ、彼女が時折カチリカチリと音を鳴らしながら何かを点けたり消したりしているのだけが気になった 暗くて様子がわからないが、光源を触っているのはわかる まぁ手持ち無沙汰な分の紛らわしだろう 「ふぅ……かなり話したね」 「んー、取り敢えずいい感じかな。センセは今何回目かわかる?」 「……数えてなかったな」 「今ね、九十九回」 九十九     
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