9 あまやかしてください

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「慶太のこと、本当によかったのか」 「何が?」 「俺の家から通ってもいいんだぞ」  改装にかかる1ヶ月の間、桐乃は佐古田の家に居候する予定だった。あの広い家ならば何人か増えたところであまり変わらない。慶太にも声をかけたのだが、春休みであるし、部活だけなら実家から通えると言われてしまったのだ。それが彼の気遣いであることは、二人にも分かっていた。 「いいんじゃないですかぁ? 本人がいいって言ってるんですしぃ」  それに、と付け加え、桐乃は意味ありげに笑って佐古田の肩に頬を摺り寄せた。 「慶ちゃんがいたら、あーんなことやこーんなこと、できないじゃないですかぁ」  カァ、と頭に熱が上った。今日の桐乃はいつになく積極的だ。今日から佐古田の家に移るということで、多少舞い上がっているのかもしれない。 「あ、でもヨシくんがいるのかぁ」  呼ばれたと勘違いしたのか、大人しくしていたヨシユキはバウ、と一声吠える。自分もいる、というように、パグのマロンもグゥウと鼻を鳴らした。 「一気に大所帯だな」 「ですねぇ」 「ペット三匹かぁ。餌やりと散歩が大変だな」 「ちょっとぉ」     
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