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千場 流のスタイルが完成した。
須堂 恵がスタイル審査をする。
「いいね?!アシンメトリーってやっぱ魅力あるよなー。」
アシンメトリー。
左側と右側で長さが違うスタイルで、両サイドの長さを一緒にするシンメトリーより簡単で、親しまれている。クリエイティブ系など特徴を出すために良く使われる事が多い為、王道とされている。
しかし。
千場 流が今回作ったスタイルはその応用。
右側は前下がりボブの形で顎まである長さをカールアイロンで巻く事でパーマスタイルにし、左側はWaxセットで毛束を作り、ベリーショートスタイルにしてある。
そのベリーショートスタイルとパーマスタイルの間は短い毛と長い毛で馴染ませる事無くきっぱり別れている。
前髪は左側から右眉毛の上辺りまで短いが、そこから急激に髪が長くなっていて顎まであり、アシンメトリーを形成している。
「ちなみにこの中間の短いところから長いところへの繋がりは敢えて繋げなかったのか?」
須堂 恵が1つ1つ審査を進める。
「もちっ!!繋げたり、馴染ませたりするとナチュラルになるから敢えて繋げない事でインパクト出したんだよー!」
「うん。俺、流の今回のスタイル好きだわ!」
「さすが恵くん!わかってらっしゃるっ!俺の勝ち決定かなっ!」
千場 流の勝機が確信に変わった瞬間だった。
審査員役は須堂 恵。ジャッジメントを務める上にあたって申し分ないのである。
何故なら、2人とも須堂 恵には一目置いているからだ。
そして…
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