3 世の中の狭さ

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…綺麗な風貌、透明感ある明るくも無い暗くも無い髪色、編み込みされたヘアーアレンジでアップにしてあるが頭のボリュームでかなり髪は長いのがわかる。風貌のイメージのまま顔立ちも綺麗め、可愛いと言うよりは素敵、綺麗などの言葉が当てはまりそうな女性が挨拶して来た。 「………。あっ!すいません、こちらこそよろしくお願いします。ユナイデットビュティースクール在籍の2年神鳥 切です。バイトの身なので迷惑かけると思いますがよろしくお願いします。」 神鳥 切は始めて会ったはずだった。でも少し懐かしさを感じた。が、それが何かまではわからなかった。神鳥 切は取り敢えずその違和感をそのままにした。 「…ユナイデットビュティースクール?…あ!友達が通ってますよ!上条 灯(カミジョウ アカリ)なんだけど知ってますか?」 「え?…あ、…か、上条さん?ですか…しっ知ってます。同じクラスにいますよ…。」 知りすぎている人物の名前が上がり顔が引きつった。 世間の余りの狭さに驚きを隠せないのもあった。だが、1番はよりにもよって上条 灯の友達が同じ職場で働いている事が恐ろしく、そして、怖くなってしまったのだ。 学園での座席も2年間にわたって何故か隣、そして何よりも上条 灯が抱く神鳥 切と言う人物の印象を履き違えていないかが最大の不安である。 決して仲が悪いわけではない。 むしろ今は大分良い方ではある。 UBS入学式早々の出来事を思い出し、顔を勢いよく叩かれた記憶が未だに鮮明である為、上条 灯のワードを聞くと痛いとリンクしてしまう神鳥 切だった。 「すご?い!同じクラスなんですね!世間って狭いね!……ん?…もしかして…座席…隣だったりしませんか?」 心の中を覗き込まれた気分になった。 『そんなに俺はわかりやすいのか?』と思う。 もしくは、もう既にあの時の出来事の話がここまで回っているのでは無いかと考えがいたり、更なる不安で冷や汗が出る。
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