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「ピッ…ピッ…ピッ…。」
真っ白の部屋、白のカーテンが風で揺れて暖かい陽射しが部屋へと入ってくる。その光で照らされ、椅子に腰掛けている人物、俯いたままの神鳥 切がそこには居た。
そして、
目の前には機械に繋がれ、病室のベットで寝ている中学生ぐらいの女の子が神鳥 切の前には居る。
まるで今にでも起きそうな安らかな顔だが、深い、とても深い眠りについている。
部屋にはその女の子を生きていると知らせる心拍数を測る音が部屋一面に響いていた。
「せっ…お…!…」
遠くから何か聞こえて来た。
「…せっ……おいっ!切っ!!聞いてんのかぁ!?」
「あぁ…ごめん!なんだっけ?」
神鳥 切は昔を思い返し、上の空だった為に、須堂 恵の話を聞いていなかった。
「おい!聞いてなかったのかよ!」
「ごめん。で?なんて言ったの?」
「…。切セツはなんで美容師になろうと思ったの?そろそろ教えてくれても良いんじゃないか?」
いつものように放課後を使いウィッグカットを自主的に居残り練習をしている神鳥 切。
そして高校時代から同じ道を歩み始めた友人、須堂 恵がどこか真剣な顔で聞いてきたが、神鳥 切はそれをはぐらかした。
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