ご挨拶

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吾輩は猫である。名前はまだ無い。 嘘。名前はルートヴィッヒという。名字は田中。珍野では無い。主人の名は唯という。苦沙弥では無い。彼女は中学の英語教師ではなく、脳内で中学二年生を五年ほど浪人している大学生だ。 田中家には吾輩の他に4匹ほど猫がいる。母猫と兄弟だ。本当はもう数匹兄弟はいるが口減らしの為里子に出た。 ぶにゃあと産まれた吾輩を見て、主人の唯は「この子、私の子にしていい?」と聞いたらしい。彼女は吾輩の名を考える時、ネットで「ドイツ語 男性名」と検索し、ビビッと来た名前を吾輩に付けた。 したがって吾輩の名は田中ルートヴィッヒである。語感悪っ! 兄は一護、姉は二葉なのに。 いや、三郎とかでよくない!? ルートヴィッヒて! 吾輩由緒正しい日本猫なんだよねぇ! ジャーマンレックスとかじゃ無いんだよねぇ! 三毛猫なんだよねぇ!
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