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これが、父と娘なら。 これが、彼氏と彼女なら。 僕と凪は、そのどちらでもない。 凪は、僕が付き合っていた人の娘。 里奈さんが居ない今は、ただの他人。 この生活は、いつまで続くのだろうか。 父と呼ばれることもなく、 どの分類(カテゴリー)かも分からない思慕を持て余すこの生活は、いつまで続けられるのだろうか。 凪に聞けば分かることなのに、僕の唇はその言葉を表せない。 投函出来ない手紙は、どんどん積み重なっていく。 僕は君が望むなら。 父にも、恋人にもなれるのに。 この関係に名前を付けないことが、僕の心を揺さぶる。 凪。 僕は君を愛している。 どんな形になったとしても、それが変わることはないのに。
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