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「おかえり、凪」
「今日は早いね?」
「うん、一件依頼がキャンセルになったから早めに帰れたんだよ」
「そうなんだ。ご飯、ありがとう」
「いえいえ。凪がいいならすぐに食べられるよ、着替えておいで」
私は待っててと言いながら弦さんの横を通り抜け、二手に分かれた部屋の襖を開ける。
鞄を畳の上に、コートはハンガーに吊して、布団の上に起きっぱなしの部屋着に着替える。
最後に結わえた髪を解いて弦さんの元へ。
「お待たせしまし」
「凪、手洗いとうがいもね」
「…。弦さんも着替えなよ!それじゃあ絶対カレー染み作っちゃうよ!」
喰い気味に言われた言葉に反抗したくなって、言い捨てるように洗面所に向かう。
いつまで経っても子供扱いなんだから。
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