prologue 宇宙移民世紀(S・I・C)

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戦闘は一進一退の攻防を見せ何方も兵力を駆使した戦いを展開、特に主力兵器となっていたギア=有人人型兵器戦は宛ら旧歴史に残る戦国時代の様な光景を描き、エースと呼ばれるパイロットもその戦いの中で生まれて行った。 この戦いを傍観し不気味に微笑みを浮かべる人物がいる、名前をメルチェリーダ・マイアシータと言う両フロンティアにも属さない第3の勢力、小惑星ユグドラシルを拠点とするマイアシータ公爵家の私設部隊総帥を務める若干14歳の少女である。 彼女の微笑みは「天使の微笑」とも「悪魔の咆哮」とも言われていた。 公爵家の歴史は古く、凡そ人類が地球を破棄するよりも以前(暦上、宇宙移民世紀の始まる50年近くも昔)には個人資金を持った彼女の七代前に当たる初代ジラード・マイアシータ公爵が様々なプロの集団を乗せフロンティア・サイド中央とフロンティア・フィフスが対峙するマグダハル宙域から西に位置する小惑星群パーレンミシェル(無名の場所を三代目パーレンミシェル・マイアシータ公爵が自分の名前を付けた)宙域に新たな生活圏を築いた事が始まり。 マイアシータ公爵家はオメガ資源開発研究所と言う会社名で様々な物資協力と開発を進め同時に可能性の高い企業への投資もいとわなかった所謂大株主である。 総合的な利益を得ていた彼等は地球がもう保たないと感じ始めるとあらゆる方面のプロを居住型宇宙帆船マイアシータ号に搭乗させ地球を離れパーレンミシェル宙域に到達、隕石群の中でかなり大き目の隕石にユグドラシルと名付け開発を開始、様々なプロの手によって発見から5年目に居住可能な小惑星基地ユグドラシルを完成した、その後、地球が生存不可能な状態迄陥ると積極的に周辺の小惑星を居住可能な惑星へと改造し人を集め始めた。 その為、小惑星基地ユグドラシルを中心に様々な流通と経済が発展を遂げ、フロンティア・サイドの関係とは違い独立自治権を確立、様々な功績に依る所もあるが重ねて来た投資や資源提供が一番の信頼を得たと言う事になる。 それによりユグドラシルを拠点としたマイアシータ公爵家は一定の地位を持ち、信頼度の高さから何も起きないだろうと周囲は感知する事も無かった。
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