猫の大往生

1/1

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

猫の大往生

ある時、僕はハッと気づいた。「この猫は何歳だっけ?」もう10年以上経ってるからだ。ここ最近、猫の様子がおかしいので病院へ連れて行った。診察の結果は腎臓病である。5日間入院する必要があるので、猫を病院へ預けた。 後日、猫を引き取りに行くと物凄い治療費を請求された。僕は目が飛び出たが、渋々有りったけの金を払って家に戻った。僕は猫に餌と混ぜた薬を与えた。1週間したら薬が切れた。 昔みたいに好奇心旺盛ではなくなったが、ネズミの死骸を置いていく。またもや、外へ出してカラスに食わせてやった。 ある日、僕が食べ終わった皿を舌で舐めたら、突然猫が倒れた。横になって大声を出している。猫が見ている方向には大した物はない。僕には何もできないまま30分が過ぎた。猫は息を引き取った。僕は、猫が漏らした汚物を片付け、死後硬直した猫を段ボール箱に入れた。 次の日、ペット葬儀社に依頼して猫の死骸を預けた。猫は納骨堂に入り、後日位牌として葬儀社で対面することになった。 僕の心がポッカリと空いた。僕は、風呂のカビ取り剤を買いにホームセンターへ行った。今度も子猫たちがケージの中にいる。その中から1匹を箱に入れて家に戻った。こうして次のパートナーと猫ライフを送るのである。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加