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当時は好きに「なりたて」すぎて、惚れた弱みというやつもあったと思う。
でもそれ以上に、私はその「めちゃくちゃだ」とこき下ろされるべき言い分に、どこかで共感してしまっていた。
――数十万円が無駄になるのかあ。それは嫌だよなあ。
――また行けばいいって言っても、全く同じイベントは二度とないものなあ。
紆余曲折ありながら、結論としては、彼を行かせてしまったのだった。
バカである。
自分がバカなくせに、私はひどく泣いた。
彼はこまめに電話をしてきて、写真もいっぱい送ってくれて、
10日くらいしたらたくさんのお土産を抱えて無事にケロッと帰ってきた。
ただそれ以来、色恋沙汰を起こしたことは一度もない。
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