琴音さん劇場

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 「ほう」 「多岐君は自慢の二丁拳銃でテロリストどもを始末していきます」 「縁日の射的ですら当てたこと無いけどな」 「でも、数が多すぎる」 「たかが学校一つ占拠するのに?」  そもそも狙いは何だ。 「とうとう囲まれて絶体絶命」 「死ねるなぁ」 「そこへ私登場」 「荒事得意だっけ?」 「私ご自慢のL85を両手に大暴れ」 「それはイギリス製のアサルトライフルなんですが……」  両手にって事はまさか二丁持つ気じゃないだろうな。  いやいや、それ以前にどうやって手に入れたんだよ。 「多岐君の背中は私が守って見せるから!!」 「……ありがとー」 「……きゅんとした?」 「しない」  ぷっと頬を膨らます琴音さん。  彼女の問題点はこれだ。  なぜか俺を主人公にした妄想トークを仕掛けてくる。  これを俺は琴音さん劇場と呼んでいるのだ。  最後に「きゅんとした?」と尋ねてくるまでがワンセット。  前はもう少し現実味のある話だったと思ったけど、最近は妄想がバーストしまくっている。
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