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「……じゃあ次」
次があるんすか……。
「学校に張り巡らされたデストラップ」
「なんでやねん」
そうなるよね。
「それを知らず、暢気に登校してくる多岐君」
俺を示すジェスチャーがあほの子みたいになっているのはどうしてなのか。
「俺に罪は無い」
……と思う。
「校舎に入ろうとした途端、襲い掛かる巨大な斧!!」
「いきなり来たなぁ」
「このままじゃ真っ二つ」
「縦に? 横に?」
まあ、どっちでもいいけど。
「危ない!! 咄嗟に私が多岐君を抱きかかえて横っ飛び」
「……そんな機敏だっけ?」
「間一髪。コンクリートを豆腐のようにぶった切る斧!!」
「オーノー!!」
しまった、つい……。
「……は?」
ひいい、凍てつく眼差し……。
「……すみませんでした」
額が削れるまで地面にこすりつけてればいいですか?
「……物語が終わるまで口を開くんじゃあない。いいな?」
「イエッサー!!」
琴音さんの咳払い。
気を取り直して続けられるんですね。凄い胆力ですね。
「私が守ってあげるから。安心して!!」
……終わり?
「……きゅんと?」
「しないな」
この流れできゅんとできる方がどうかしている。
「むー」
ぷぅっと頬を再び膨らませる琴音さん。
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