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「言っとくけど」
そう前置きして、深呼吸をしてから悠也は続けた。
「オレが好きなのは、ずっと昔からお前だけなの。
知ってた?」
ドキンと心臓が飛び跳ねた。
ドキンドキン、とうるさいくらい鼓動が騒ぐ。
ーーーえ。聞き間違いじゃ、ないよね?
さっきと変わらない不貞腐れた顔に、少しの照れがプラスされたせいか悠也の耳が赤い。
照れてるってことは、ホントなの?
「それ、冗談って言わない?」
あたしが振られたことあるのも知ってるのに?
可愛くない顔、いっぱい見せてるのに?
「お前がイヤなら冗談にしてもいいけど。
………いや、それはやっぱオレが嫌だわ」
ポリポリと鼻の頭を掻いて天井を仰いだ後、
もう一度あたしをまっすぐ見つめてくる。
「もう、目の前で他の男に靡くお前は見たくない」
胸の奥がじわじわと熱くなって、思わずギュッと悠也の制服の裾を掴んだ。
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