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悠也なんかありえないって思ってたのに。
でも、“悠也の側にいる自分”を想像すると
すごくしっくりくる。
それはごく自然な光景で。
悠也といると、背伸びをしてない素のあたしでいられるんだ。
「……知らなかった。
悠也があたしを好きなのも、あたしが悠也を好きなのも」
あたしの言葉に、悠也は目を見開いた。
「あたしも、他の女の子に靡く悠也はイヤだ」
少しの沈黙の後、驚いて固まっていた悠也が
ハハッと笑いを漏らす。
「ずっりー。今気付いたってことかよ?」
「だってそうなんだもん、仕方ないじゃん」
確かに悠也にしてみればズルイのかもしれない。
言われて分かるとか、どんだけ鈍いの。
昇降口の玄関へ顎先で促され、2人並んで外へ出る。
「お前、小林となんか帰るなよ」
「なんかって、悠也の友達でしょ?」
「そうだけど。あいつはダメ。手ぇ早いから」
カッと頬に熱が集まった。
そ、そうなの??
あ。
だから、さっき教室から出てきた時、機嫌悪かったんだ。
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