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固唾を呑んでその場から動けずにいると
廊下の向こうから人がやって来るのが足音で分かった。
ハッとしてその方向に目を向けると、その足音の主は
悠也と同じ部活の小林くん、だ。たしか。
あたしが壁にへばりついてるのを見て怪訝に思ったのか
首を傾げながら歩いて来る。
あぁ、どうしよう。
きっと悠也を探しに来たんだ。
このままじゃ、小林くんまでこの告白現場に居合わせてしまうことになる。
あたしの知ったことではないはずなのに、動揺してアタフタしながら、「しーっ!」と人差し指を口の前で立てて見せた。
すぐ傍まで来たところで、「なに?どうしたの、こんなとこに突っ立って」と小声で話しかけて来る。
うぅ、どう説明したらいいものか。
内心頭を抱えていると、教室の中から声が漏れてきた。
「悪いけど、ほか当たってくれよ。
オレ好きなヤツいるし」
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