それはようやく噛み合ったファスナーのよう

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それはようやく噛み合ったファスナーのよう

「……で?返事は?」 「えっ?……ぇっと、告白って事は、その、付き合って欲しいって事?だよね。でも、私……。きっと、きっと一緒に居てもつまんないよ?」 「は?何それ。そんな事誰かに言われたの?」 「ううん違う。でも、きっと……。つまんないよ私なんか。真面目だけが取り柄だし」 だから付き合ってもすぐに私が振られてしまいそう。 「渡辺くんは、私なんかのどこが良いの?」 「え?そうだな、その馬鹿が付くくらいに真面目なとこ?それからたまに抜けてる激ニブなとこ。あと、すっごく可愛く笑うとこ。絶対に人の悪口言わないとことか、みんなの嫌がる事率先してやるとか、後輩とか関係なく部活の雑務こなすとこ。それから……まだ言った方が良い?」 「や……。恥ずかしいんで、もう良いです」 俯く私。 頼りにされる事は多くても、褒められ慣れてはいない。 「林……こっち見て。顔、上げて」 上目遣いに少しだけ彼を見る。 けど、それは三秒と持たずにまた足元に目が行く。 「俺と付き合ってくれる?」
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