ときめきは止まりません

29/36
前へ
/256ページ
次へ
受付に行き、嘘みたいに愛想のいい女性と話をして、会計を済ませた。来週の予約を入れて、バッグに財布を入れていると後ろから声をかけられた。 「朝倉さん、これ、お忘れものです」 振り返ると、嶋医師が立っていて私が持って来た小さいハンドタオルを手にしていた。 「ああ、わざわざすみません。ありがとうございます」 嶋医師からハンドタオルを受け取り頭を下げる。 ーーーん? このタオル、硬い。 歯科医院を出てから、私はハンドタオルを広げた。中からハラリと床に落ちていく白い紙。 首を傾げて床に落ちた白い紙を拾いあげた。
/256ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3201人が本棚に入れています
本棚に追加