ときめきは止まりません

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★★★ 鼻を押さえながら少し距離を保つ山口七恵は、私のデスクの隣に座るゆとり世代の後輩社員である。 「七恵ちゃん、そんなに臭わないでしょう? 大げさっ」 「だって……由里子先輩がにおうって、はじめに言っちゃうから。あえて、かがないようにしてるんですよ」 本気で鼻をつまむ七恵を見てギリギリと歯ぎしりした。 ーーーったく、これだからゆとり世代は嫌。先輩を先輩とも思わないこの図太さ! 失礼な子よね。 「あ、そうだ。新しい歯科医院が昨日オープンしたみたいですよ。駅前でチラシ貰いましたから」 相変わらず鼻をつまみながら、片手を使いデスクの引き出しからチラシを出す七恵。
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