ときめきは止まりません

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★★★ マスクのずり下がりを直しながら会社の廊下を歩いていると、前方から由里子の方向に歩いてくる男性社員の二人連れがいた。 ーーーわっ! 朝からついてる! あの三宅さんに会えるなんて。 前から来る男性社員の二人が、かるく会釈してきた。 窓際を歩いてきた男性社員の方が、営業の三宅 翔さん。容姿がモデル並みに抜群だと名の通っている有名社員だ。 隣は、印象の残らない普通な見た目をした平凡社員で同じく営業の斉藤 慎吾さん。 マスクをしている為、残された目だけでも優しげな雰囲気の人だと思ってもらえるように精一杯の努力をしながら、微笑み頭をさげた。 「おはようございます……」 「おはようございます。あれ? 朝倉さん風邪ですか?」 日頃の努力の賜物なのか、それとも別な理由があっての事かわからないが、三宅さんの方から話しかけてきた。 ーーーうっ話しかけられた! 貴重すぎて、緊張するんだけど! 立ち止まって優しく見おろしてくる三宅さんに、気の小さい私はすっかりたじろいでいた。
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