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かあっとなる頬を両手で押さえた。
更に距離を縮め肩を下げて耳元に近づいてくる三宅さん。
「治ったら明日、デートしようか?」
三宅さんの囁き方にゾクっとして私は、無意識に体を震わせていた。
「じゃ、約束だよ」
熱くなった頬に当てたままの私の手に、そっと三宅さんの手が触れてきた。
下の方へ導かれた手の小指に、三宅さんが小指を少しだけ絡めてきた。
一瞬だけ、絡み合った小指。
でも、ほんの一瞬だけで、すぐに何もなかったみたいに指が離される。
今起こったことが、夢なのか現実なのか判断がつかないまま、既に私から離れ歩き出していた三宅さんの背中を見た。すると、視線を感じたように三宅さんは私の方を振り返り、小さなウィンクをしてみせた。
ーーー出たっウィンク! 日本人では絶対に似合わない、気持ち悪いだけのウィンクがあれだけ似合ってしまう三宅さんって尊敬しちゃうよ。
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