ドキドキは止まりません

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ドキドキは止まりません

★ 翌日の私は、そわそわして気もそぞろだった。 「お昼行かないの? 由里子先輩」 隣のデスクにいた七恵が立ち上がる。 「えっ、もう、お昼かあ」 ーーー今になって気がついたけど。私、大事な事を忘れてる。舞い上がりすぎて、勝手にその気になってたけど、三宅さんと約束した訳でもなければ、メアドも知らない。連絡が取れないのに、約束なんか出来るわけない。 「行こうかぁ。金欠だから、食堂か牛丼やでいい?」 財布とジャケットを掴み重い腰をあげた。 「えーーー、またですか? いつでも金欠じゃないですか。いい加減にやめてくださいよ。今まで言いませんでしたけど、牛丼って、かなり恥ずかしいんですよね~由里子先輩は、恥ずかしくないんでしょうけど」 「はあ? 何が恥ずかしいのよ。牛丼やに謝れ! 丸の内のOLでもあるまいし、何かっこつけてんのよ。美味けりゃいいじゃん」 七恵と向かい合って立つと、私より少し背が高い七恵の肩を人差し指で小突いた。 「たまには、牛丼じゃないものがいいって言うのの、どこがいけないんですか!」 七恵がお返しとばかりに私の肩を掌で押した。
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