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昼でも夜でも構いません
★昼でも夜でも構いません。
「お持ち帰りですか……」
「うん、来る? うち」
当たり前のように誘う三宅さんの妖艶な微笑みを見つめた。
ーーーなんか……。
「朝倉さんの家でもいいよ。あ、それともさ」
ーーー違う。私が求めているものと違う。
自分の肩に置かれた三宅さんの腕から逃れるように、私は三宅さんから離れた。
「私は……」
三宅さんが、私を無表情に見ていた。
「ホテルにする?」
「だから、私は……」
「私は、何? 男とデートして飯だけのつもりだったって言える?」
「……」
近づいてくる三宅さんを初めて怖いと感じた。
後に下がるうちに、ふくらはぎが歩道の植込みに咲くツツジの葉に触れる。
植え込みの段差にヒールのカカトが引っかかり体のバランスが崩れていった。
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