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そんなふうに思っていたある日。
わたしは休日でボートの中でダラダラとしていた。
外では、いつものようにボート仲間たちが騒いでいる。
いつもより興奮しているようだが、わたしはあまり気にしなくなっていた。
「おいっ!お前は日本人だろう。魚をさばいてくれ!」
いきなりWがやって来た。
何の根拠があって、日本人だから魚をさばかなければいけない。
「さっき釣れた魚をさばくことにした。今日のランチは寿司だ!寿司を作ってくれ!」
またWがめちゃくちゃなことを言っている。
わたしは、「寿司は寿司屋で食べるから、自分では作らない」と言った。
ちなみに、ご飯がなくては寿司は作れない。
それは刺身だ。
ああ、本当にバカバカしくて付き合ってられない。
Wはわたしに断られたので、「自分で魚をさばくから、寿司ができたら呼びに来る!」と言って行ってしまった。
わたしは面倒なので出かけることにした。
外に出ると、男たちが魚をさばいている。
しかも、プラスチックのまな板を地面に置いて、サバイバルナイフでだ。
魚の内蔵を持って、一人の男が仲間の一人を追いかけ回して騒いでいる。
Wは魚を切りながら、川沿いを歩いている人たちに、一緒に食うかと聞いている。
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