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きみは新しいパーカーを着て
少し自慢げに歩いている
僕は買いたてのコートを羽織り
風になびかせている
手を繋ごうにも
僕は苦手だから
きみがコートに手を入れても
握り返したりはしない
左手をぶらぶらさせながら
右手をポケットで暖めて
学生達の帰路の中
かき分けながら歩いてく
もう少し
ううん
あと20歳ほど若ければね
こんなことも照れずに済んだけど
娘と呼んでいいくらいの歳で
僕みたいな男と並んで歩く
きみのその感性に驚かされる
それに同気する僕も僕
AEONに入る直前
何気にコートの左ポケットに
さり気なく手を入れて
きみの手を抜く仕草
なにを言うわけでもなく
素直に受け入れてくれるきみ
普段からそれが当たり前で
カゴを持つ手にすり替える
ごめんね
やっぱり
この歳になると抵抗があるんだよ
きみはどうして僕を選らんだのかな
親子かな?
交際しているわけではないけれど
さすがに歳の差友達には・・・
誰の目からも見えないだろうな
手を握ったこともない
キスをしたこともない
抱いたこともない
ただ いつもそばにいる人
大切なひと
それがきみ
いつまで
この関係が
保てるのかな・・・
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