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戦闘機形態での加速度を維持したまま、人型へと変形した孝也の拳がモンスター醜悪な横っ面にぶち込まれる。今や自身の何倍もの巨体となっているモンスターは、その一撃によって再びのけぞり、仰向けになる。
孝也は殴り飛ばしたモンスターの確認を後回しにして、即座に広場へと降り立つ。なるべく衝撃が起きないように、ゆっくりと下降していた。
そして、孝也は一連の戦いを眺めていて、唖然とする少女に対して、膝を着き、腕を伸ばした。
「大丈夫か?」
孝也の問いかけに、少女は肩を震わせた。
しかし、震えながらも少女は孝也の差し出した腕に自分の小さな手を伸ばす。
鉄の腕と少女の手が触れ合う。
「あ、あなたは……」
「俺は……」
少女の問いに、孝也は応えるべき真の名前を既に知っていた。それもまた、膨大なデータの中にあった。
「俺は、勇者。勇者リーン。この世界を守る為に、俺は蘇った!」
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