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「こっちはバリアも完備してんのよぉ! クレア、カウンターだ」
「か、カウンター?」
「反撃ってこと! 思いっきりぶちかませ!」
「うあぁぁぁ!」
孝也の内部、コクピットでクレアはうちに秘めた恐怖も何もかもを吐き出す勢いでレバーを押し出す。
それに合わせて孝也の剛腕が繰り出される。鋼の拳は一瞬にして赤熱化し、攻撃を弾かれ無防備になったモンスターの胴体を抉るようにして、打ち込む。
轟音と衝撃が響き渡る。その一撃をもってして、巨大なモンスターは遥かなる後方へと吹き飛ばされる。
一瞬にして蹂躙した城下町からはじき出され、広大な大地へと叩きつけられたモンスターは、壊れた道具のように痙攣し、その場でもがいた。
「止めだ! クレア、リーンソードを!」
今まさに好機。
孝也はすかさずクレアへと必殺の一撃を叩きこむように指示を出す。
「ど、どうやって……!」
「叫べばいい!」
「り、リィィィンソォォォド!」
少女の叫びが木霊する時、晴れ渡っていた空に暗雲が立ち込め、雷鳴が轟く。
「か、雷!? ま、魔法!?」
天候操作。それは、少女の常識の中では、高等魔法の類であった。
「細かい理屈は抜きだ!」
その時、一筋の雷光が孝也へと飛来する。
「ひゃあぁぁぁ!」
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