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クレアは突然の事に身をすくめ、怯えるが、孝也はその雷を右腕でつかみ取る。
雷は剣であった。巨大な黄金の刀身を輝かせる剣が孝也の右腕に収まる。
たったそれだけの事なのに、大地が震えた。暗雲はさらに立ち込め、雷鳴も激しくなる。
「クレア、リーン・ブレイカーだ!」
「と、唱えればいいんだね!」
一連の流れで、要領を掴み始めたクレアは大きく頷き、息を吸った。
孝也もまた、己の内部動力を激しく稼働させる。
「フルドライヴ! オーバーチャージ!」
動力炉から圧倒的なエネルギーの奔流が体中を駆け巡っていくのがわかる。力があふれるとはまさにこのことだ。
孝也は己に体に充分なエネルギーが蓄積したことをクレアへと報告する。
「リーン・ブレイカー!」
クレアが頷き、叫ぶ。孝也もまた、叫んだ。
二人の雄叫びが重なる。
孝也の巨体は背部の大型スラスターを点火させ、一直線にモンスターへと肉薄する。
手にした剣を大きく振るい、腰だめに構える。それと同時に孝也の全身から白雷が迸り、未だ痙攣を続けるモンスターの肉体を撃つ。その瞬間、モンスターの巨体が締め上げられるようにして空中へと浮遊した。
そして、目前に迫った孝也が剣を振るう。横一閃。すれ違いざまに切りつける。
「輪廻・両断」
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