もう、イラナイ

紅鬼《こうき》

俺にはそんな事は関係ないけど。
俺に関わってこないなら、それでいいんだけどな。

威嚇の声音で名を呼び、かの総長は怯んだ。

その隙に、さよーなら。

願わくば、もう会わなくていいことを願うよ。

なんか、待てだの何だの聞こえるけど、空耳だよな。
関わってくんな。

倉庫を出て、路地に入り、角を曲がって、曲がって、曲がって……………

着いた。俺の住処

小さくてボロいアパート。

俺は情報屋も営んでるから、それなりに収入はあるけど、ここを出ていくつもりは無い。

此処は、部屋数の割に凄く入居者が少ない。

でも3階建て。

入居人は俺を入れて、２人。

よく取り壊さないよな。させないけど。