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「すみません! 乗客たちがテロだって騒いでます!」
焦った新人警察官が階段を駆け下りるとホームで作業をする隊員たちに向かって大声を上げた。
一斉に顔を強張らせる救急隊員に消防隊員ですら顔が青ざめながらも、もしもの時の為にと起動させていた生物剤検知器を確認する。
「大丈夫です! 検知器には何も反応はありません!」
それを聞いた警察官は無線を使うのも忘れ報告を上げるため急いで階段を駆け上がった。
しかし、残された全員の視線は車内に残された男性へと向かう。
開けるべきか、それとも防護服を着るべきか…。
しかし、ホームでは検知されなかっただけで締め切られた車内はどうなのか分からない。
「用心に越した事はない 防護服を着用しよう。」
隊長の言葉に消防隊員は急いで消防車に戻る。
「車内の男性は私たちが。 救急隊員の皆さんは避難して下さい。」
もう既に死んでいる男性に救急隊員の出る幕は無い。
最後の1人を上に上げるそのまま病院に向かうため駅を後にした。
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