古民家レストラン

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薬袋は獅々友の相談を断った。 『あなたから、本気が感じられない』 その理由に獅々友は、絶句した。それでも、獅々友はなんとか食い下がり、シュウ酸カルシウムについて調べたことを薬袋に伝えた。しかし、薬袋は首を縦に振ることはなかった。 獅々友は、薬袋からイエスをもらえると思っていた。話を最後まで聞き、風村の名前にも反応した。手応えはよかったはずだ。 「本気でやれば、人は動くはずなんだ」 獅々友は、念じるように呟いた。パソコンのファンが唸っていた。閑静な住宅街に車が通りすぎる。 本気がまだ足りない。何が足りないんだ? 獅々友は壁を眺めた。白過ぎない柔らかい色味の壁だ。そこを何とはなしに眺め、じっと水面を見つめる鳥のように、(ひらめ)きの気配を(うかが)った。水面はどこまでものっぺりとした平面を保っている。集中は、次第にほつれていった。獅々友は大きくため息をつく。それと同時に、モニターはスリープ状態になり、真っ暗になった。
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