1:Sleepers, Awake!

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1:Sleepers, Awake!

「――診断の結果、あなたの健康状態は極めて正常でした。医者からはいつでも退院させられると言われてるわ。さて、これから聞き取りを始めましょうか。まず最初にあなたの基本情報を教えて。名前は?」 「ダニエル・クラルテ」 「生物学的性別は?」 「男です。あの、生物学的ってどういう意味?」 「それは生殖において雄か雌か――ああ、そっちじゃないのね。今は性表記が生物学的、内面の2項目に分かれているの、一致しない場合も考慮してね。何も恥ずかしがることはないのよ? で、あなたの内面的性別は」 「どっちも男だよ! ……はっきりと男らしいともいえないけどさ。ついでに、生年月日は2001年9月11日、《内面的》年齢は十四歳」  僕は尋ねられる質問に素直に答えた。別に隠し立てするようなことは何もないし、相手をだましたところで事態は進展しない。彼女にとって僕の存在は、ただ珍しいだけの扱いに困る骨董品と同列だからだ。     
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