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余談はさておき、ディクソン氏はいつものように一枚のコピー紙を取り出して読み上げる。処罰はほぼ自動的に決定し、僕らが口を挟む余地など最初からないのだ。
「ウィリアム・ローレンス、第三級騒乱罪で自宅謹慎一カ月だ。破れば禁固二週間に処す」
「……へ? なんで?」
予想以上の重さに僕は唖然とした。第三級騒乱罪と言えば、真っ昼間にで大暴れしたときに付くような罪だ。人気のない森の中で酒盛りしたくらいじゃせいぜい四級で謹慎も三日以内のはずなのに。
「今年から厳罰化の方針に転換したんでな。官僚共は予算を圧縮しろと迫ってきているので、隠蔽工作にかかる費用を減らすことにした」
「そんなのそっちの勝手な都合じゃないか! いくらなんでも一方的すぎるよ」
「私にとっては福音そのものだ。少しでもお前達の我儘な振る舞いに歯止めがかかるのだからな」
表情一つ変えずあっさりと言い放つ。この人の妖精嫌いは分かってるけれど、ちょっとぐらい同情してくれてもいいじゃないか。一カ月も家の中に閉じ込められるなんてあんまりだ。
「じ、じゃあ、ガイ・フォークス・デイはどうなるの? 当日も一歩も外に出るなって?」
「その通りだ。例外は認めない」
「そんなあ……」
取り付く島もない。この分だとどれだけ説得を試みても効果が無いのは見えている。僕はただ段ボール箱の中でうなだれるしかなかった。
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