Act 1: Everybody wants to be a cat

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 群れるのが嫌いな性質だから隅っこの方を見てみると、案の定入り口近くの物陰で眠たそうに待ってくれていた。下層行きの階段へ押し寄せる波に逆らいながら、やっとのことで目的地に到達する。 「ようウィル、今年はどうだったんだ」  立ち上がれば七フィートを超す大きさのアイリッシュ・ウルフハウンドが、唯一の入り口である扉のそばに陣取っていた。観葉植物の陰で寝そべっていると灰色でぼさぼさの毛並みがなんだかモップみたい。彼こそクーシー(妖精犬)にして僕の一番の親友ルークだ。 「最悪だよ、十二月まで外に出るなってさ。ひどいと思わない?」 「そりゃ災難だったな。一体何やらかしたんだよ」 「別にいつもと変わらないよ。なのに向こうの都合だけでいきなり重くされちゃってさ」 「俺は例年通りだったぜ。だったら五日は祭りに行けないのか」 「そういうこと。だから花火は全部ルークにあげるよ」  ふぅっ、と僕は溜め息をつく。そりゃあ落ち込みもするさ、だってポルターガイスト役のパートタイムまでして爆竹の量を去年の二倍まで増やしたんだから。次回までとっておけるものでもないし、これで全部水の泡。  そんな僕を見かねてか、ルークは僕を優しくくわえてひょいとその背に乗せてくれた。 「まあくさるなよ、機嫌直しに外でメシでも食おうぜ。さっきのコープスのせいで臭くてかなわん」     
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