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(……ウィル…………――て……)
原色系の模様が渦巻く真っ暗な夢の中で、遠くから誰かが僕を呼んでいる。エコーがやたらとかかっていて声の主が全然分からない。
「…………うぅん……おまえもかブルーたすぅ……」
意味もなくカエサルの台詞をつぶやきつつ寝返りを打つと、冷たいフローリングの感触が火照った体をクールダウンする。ひんやりとして気持ちいい。
「……ねえ起きて、いつまで寝っ転がってるつもり?」
「もう……ちょっと……寝させて……」
声の主は僕を何度も揺すって起こそうとするが、全身がだるくて目を開けるのさえ億劫だ。
「――起きろこのバカっ!!」
「ふぎゃっ!?」
いきなり何か柔らかい物体を叩きつけられてたまらず僕は跳ね起きる。同時に強烈な目まいと頭痛のダブルパンチが襲い、すぐさま床に突っ伏して七転八倒する羽目になった。視界がぐらぐら揺れて気分も悪いし、明らかに二日酔いだ。
「ううぅ……飲み過ぎた……」
「だからやめときなさいって何度もいったでしょ、自業自得じゃない。掃除するからさっさとどいて」
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