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 その言葉が、ただただ嬉しかった。  人がロボットに、AIに好意を寄せたところで伝わらない。むしろ向こうも迷惑だろう。そう思っていた。  だけど、ちゃんと伝わっていた。嬉しいと言ってくれた。それだけで、涙が抑えきれなかった。  一度もちゃんと言葉にしなかったのに、コロナにはちゃんと伝わっていたんだ。 「俺も、俺もコロナからたくさんの贈り物をもらったから。今日まで本当に楽しかった。だから、コロナ、大好きだ!」 「はい! 私も、大好きです!」  そう言って、僕らは握手をした。彼女の手は見た目と違い、確かに金属でできていた。けれど、不思議とほんのり暖かく感じられた。
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