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「ほら、佐伯さん起きてください」
「むう、昨日は遅くまでかかったんだ。ギリギリまで寝かせてくれ……」
「駄目です。起きてください! ちゃんと朝食を食べてしゃっきり働いてください!」
コロナと別れてから二年が経った。長いようであっという間の二年間だった。
この間にずいぶん色んなことがあった気がするが、一番の驚きは……
「うう、ダーリンが私に冷たいぞ」
佐伯さんと付き合い始めたことだろうか。
あれからコロナが残したデータを正確に分析するために、コロナとの生活を説明しなければならなかった。
それはもう、一から十まで全部である。死にたくなるほど恥ずかしかった。
「ほほう、家事ロボットが主人と一緒に家事をする。そんな本末転倒なことをしていたのかね? 面白いな。これは想定外どころの話じゃないな。おい、今度その重曹を使った焼鳥を作ってくれ!」
「焼き鳥じゃありません、ローストチキンです!」
そんな話の流れから、ちょくちょく一緒に食事をするようになった。コロナについて、コロナの主人と技術者として話しあっていたら、気付いたらこんなことになっていた。
これもコロナからの贈り物かな。
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