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家事ロボット。
昔は掃除機を自動でかける程度の機能しかなかったそれが、ここ数年で急速に進歩していた。
掃除ロボは清掃だけでなく整理整頓、ゴミ出しまで行うようになった。もちろん掃除以外にも炊事ロボ、洗濯ロボ、草刈ロボ、ペットのお世話ロボ等々。
人間がやっていた家事のほとんどはロボットがやれるようになっていた。
しかし、ここで一つ問題が起こった。
家では何体ものロボットが働いており、我が家なのになんだか落ち着かないという不満が上がってきたのである。
そんな消費者の声を受け取り、かつ更に要求以上の物を作ろうとした会社があった。それがうちの会社……の系列会社だった。
いくつかの家事ロボットを統合し、能率は落ちるものの一体で掃除、炊事、洗濯等の最低限の家事を代行できるロボットを作った。それだけでも十分な発明だっただろう。
だが、あの会社はもっと先に進んでいた。
家事をしているのがロボットだと感じさせないように、まるで人が行っているように見える高解像度ホログラムを映写する機能、人間らしい会話ができるように高度なコミュニケーションAI、そしてそのAIの会話に合わせた表情や仕草を即座に算出しホログラムに反映させるこれまた超高度なAIを搭載していた。
そんな超高スペック家事ロボットの試作機がコロナだった。
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