自由の縛り

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自由の縛り

  俺は今刑務所の中にいる。 俺は独房の中で天井に向かい思考を巡らせる。  俺はそれなりに悪い事をしたのかもしれない。 だが、それは本当に悪いことなのか? 何故、俺はこの国に裁かれ、この国のルールに従わなければならないのか? 何故この国に縛られなければならないのか? 結論は出ているではないか。 それはこの国に生まれたからだ。 この国ではそれなりの自由が許されている。 だが、その自由にも許容範囲がある。 許容範囲を超えれば国に縛られる。 自由には責任が付き物なのだ。  では、他の国ならどうだろうか。 他の国もまたその国のルールがある。 国によってその程度は違うだろうが、どの国にも許容範囲はあるものだ。 自由を与えられる事は縛られる事だ。 結局それは自由なのか?  では国では無く無人島で生まれ育っていたならどうだろうか。 食糧難などの縛りが出てくる。 結局は環境に適応するべきなのだろうがこの世は住みずらい。  この世の自由は縛られている。 俺は独房で延々とそんな事を頭に巡らせている。
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